Essay 13 「 ~ 天鼓巡回 in Bangkok ~ 」
Thailand タイ1886年に日本とタイの修好宣言に署名がされ今年で120周年にあたるという。
外務省:「日タイ修好120周年」推進協議会より“御諏訪太鼓”の演奏巡回が記念事業として認定される。 (認定番号56番)
バンコクの現地学校を訪問し演奏そしてワークショップを実施する。
今回のすばらしい機会を通し、御諏訪太鼓代表曲「勇駒(イサミゴマ):Running Horse」を4日間に渡って延べ1,000人を超える生徒達にワークショップを開催し、和太鼓ふれ愛交流を計る事が十分に出来た。
「勇駒」は1998年の長野オリンピック閉会式での2,000人揃い打ち演奏曲という事もあってか、予想以上に反響が大きく子供達は情熱を持って打ち込んでいた。又、引率の先生方からもとてもやる気が感じられた。
とても有意義な時が流れた。
初日に受け持ったクラスの一人の女の子は演奏中になれないバチを使い誤って自分の指を3回程ぶつけて顔をしかめていたが最後まで必死に打ち続けている。
その子は私の姿を瞬き(マバタキ)せず見続け必死についてくる。
その表情と直向き(ヒタムキ)な姿に心打たれる。
こんな子供達に接する事が出来感動を覚えた。
過ぎ行くその感動。
時間の経過がとても早く感じられる。
全校集会での20分間に亘る御諏訪太鼓ソロ演奏でも多くの方々から激励を頂き心から感謝申し上げたい。
僅かな時間の中で「勇駒」を日本伝統芸能和太鼓である“組太鼓日本打芸”を皆が揃い打ち演奏出来るまでの成果を得る事が出来た。
多くの人々と一つの曲を打つ喜び、これは宗家小口大八師御諏訪太鼓の真骨頂である。
多くの生徒達から受けた感動の数々が心に深く刻み込まれた。
皆に喜んで楽しんで頂く事が何よりの励みである。
2007年の今年、学校創立50周年を迎えたBangkok Patana School。
これを機にここBangkok Patana Schoolは御諏訪太鼓の一支部として今後も活動していくという結果に至った。
いつか折を見て再び訪れる約束を誓いタイ・バンコクを後にした。
Bangkok Patana School、全校生徒2,000人・52カ国の異なる民族が通う学校であっても音楽には国境は無い。
機、我を非として当う者吾が師なり此為、鼓玄正派源流御諏訪太鼓流家元、師小口大八宗家始めとしてお世話になった方々に心から感謝を申し上げます。

合掌
御諏訪太鼓保存会
関口達夫

天空